大島紬とポリフェノール──奄美の自然と伝統が織りなす化学反応🧪🌿

シャリンバイとの出会い
みなさんは「シャリンバイ」という植物をご存じでしょうか?
私は奄美大島に移住して、はじめてその存在を知りました😊
シャリンバイは、奄美大島を代表する伝統工芸「大島紬(おおしまつむぎ)」に欠かせない植物です。
世界三大織物のひとつとされる大島紬。
その深く美しい黒は、シャリンバイの樹皮に含まれるポリフェノールと、土壌中の鉄分が繰り返し反応することで生み出されています✨

繰り返すことで生まれる“黒”
絹糸に、シャリンバイの煮汁と鉄分を交互に染み込ませる工程を、何度も何度も繰り返します。
この化学反応によって、深みのある黒──「泥染め」と呼ばれる色合いが完成するのです🎨
染めの回数や素材によっては、茶色や赤に近い色に仕上がることもあり、それもまた自然ならではの表情🌱
正直に言うと、私も細かな理屈まではよく分かっていませんが(笑)、試してみるとこの工程の大変さと奥深さを体感できます💦
私の草木染め体験🍃
実は以前、パッションフルーツの皮を使って草木染めを試してみたことがあります!
回数は少なかったですが、真っ白なてぬぐいがやさしいピンク色に染まりました😆
🔻写真右下の布です。

やってみるとよく分かるのですが、「布に色をつける」という行為って、想像以上に根気がいるんです…💦
大島紬の職人さんたちが、どれほど丁寧に時間をかけて染めを行っているか、ほんの少しだけ感じることができました🙏
ポリフェノールは色を変える魔法使い?🧙♀️
ポリフェノールの反応は、植物染めだけではありません。
たとえば、バタフライピーという青いハーブティーをご存じですか?
このお茶は煮出すと美しい青紫色ですが、レモン汁を加えると一瞬で赤紫に変わります😳
これは、酸性に傾いたことでポリフェノールの構造が変化したため。
科学の授業のようですが、こうした変化も自然の面白さですよね🔬✨
奄美の「色」に込められたもの🏝
大島紬の美しさは、単に見た目の話ではありません。
奄美の植物、土、そして人の手が何度も繰り返してきた“積み重ね”があの色を生んでいます🌾🧵
そしてその背景には、ポリフェノールという自然の化学反応が静かに息づいているのです💫
自然と伝統、そして科学のつながりを知ると、身近な植物の見え方も少し変わってくるかもしれませんね😊
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<香彩代表・カモガワ>
愛媛生まれ・愛媛育ちの薬剤師。
旅行で奄美大島を訪れた際、その開放的な空気や青い海に惹かれ、2018年に移住しました。
移住後、ふとしたきっかけからアロマセラピーに興味を持ち、独学で学び始めました。
そんな中、奄美で出会った方から「奄美のアロマってないのよね」という言葉を耳にし、
2020年アロマ製造をスタート。
いくつかの季節を経験する中で、奄美大島の多種多様な植物たちと出会い、
「植物は“薬のお母さん”でもある」と気づきました。
薬剤師として学んできた知識と、化学好きの個性を活かしながら、『えがおのくすり』として
奄美の香りを作り、届けています。
この活動が、移住者である私を温かく迎えてくれた奄美の人々や自然への、ささやかな恩返しにつながればと願っています。
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