奄美の梅雨は、白が似合う——雨の季節にひっそり咲くイジュとコンロンカのはなし
「梅雨入り」を告げる花がある
奄美の梅雨は本土より早い
奄美大島の梅雨入りは、本土より約1ヶ月早く訪れます🌧️
5月の半ばには雨の季節がはじまり、梅雨が明けるのは6月下旬から7月のはじめごろ。
都会にいると「梅雨といえば6月」というイメージが強いと思いますが、
奄美の暦はすこし違います。
そして、その梅雨入りをそっと教えてくれる花があります😊
イジュが咲くと、雨の季節がはじまる

「イジュが咲いたね」——島で暮らしていると、梅雨の時期にそんな会話が聞こえてきます👀
イジュは奄美を代表する木のひとつ。
山の緑に白い花が点々と咲きはじめると、「ああ、今年も梅雨が来たんだな」と感じます。
以前、ある知人がこう言っていました。
「奄美の梅雨は、白が似合う」
その言葉が、ずっと心に残っています🌿
イジュってどんな花?ツバキの仲間だった
白い花びらと、かすかな香り
イジュはツバキの仲間です🌸
白くて丸みのある花びら、中心に黄色いおしべが集まった姿は、
どこか清楚で、梅雨の湿った空気によく馴染みます。
香りはほんのかすか。
強く主張するわけではなく、近くに寄って、ふっと感じるくらいの控えめさ。
でもその香りが、なんとも言えず好きです✨
ジャスミン・イランイラン・ローズ——その香りを言葉にすると
薬剤師でもありアロマの作り手でもある私が、
イジュの香りを言葉にするとしたら——
ジャスミンやイランイランのような、甘くやわらかい花の香り。
そこに、ローズのほんのりした華やかさが加わったような。
説明が難しいのですが、「白い花の香り」とでも言うべき、
透明感のある甘さです😊
花から香りを取り出そうとした話
アブソリュートという抽出法
その香りに魅せられて、一度イジュの香りを「アブソリュート」にしてみたことがあります。
アブソリュートとは、溶剤を使って花から香り成分だけを取り出した、
いわば「香りのエキス」のようなもの。
ジャスミンやローズのアブソリュートは香水原料として有名です。
知人に協力してもらって、山でイジュの花を収穫するところからはじめました🌿


花5キロで、得られたのは5g(泣)
収穫した花の量、約5キログラム。
それを丁寧に処理して、アブソリュートとして得られた量は……
5グラム。
1,000分の1です🤣
ジャスミンのアブソリュートも採油率は極めて低いことで知られていますが、
イジュも同じくらい、いやそれ以上に「採れない花」でした。
「売れない」と判断した理由と、それでも感じた価値
正直に言うと、この量では商品として販売することは到底できません😅
採算が合わないどころか、花を摘む労力を考えるとため息が出るほど。
販売は断念しました。
でも、その5グラムのアブソリュートは今でも手元に残しています!
ほんの少し指につけて香ると、あの梅雨の山の空気が戻ってくるような気がして✨
「売れないけど、存在している」
そのことが、イジュという花の希少さをいちばんよく表しているかもしれません🌿
山手にひっそり咲く、コンロンカ

梅雨の山道で出会う白い花
イジュと同じ時期、山手の道をゆっくり歩くと、
もうひとつ白い花に出会えます。それがコンロンカ🌿
コンロンカは白いガクが特徴的な花で、緑の葉のあいだからひょっこりと顔を出します。
派手さはないけれど、雨に濡れた葉の緑に白が映えて、
なんとも言えない静けさがあります。
山道の脇、誰に見せるわけでもなく、ひっそりと。
そのたたずまいが、梅雨の奄美にとても似合っています😆
白い花が多い理由——奄美の梅雨と植物の関係
梅雨の時期、奄美では白い花が目立ちます。
イジュ、コンロンカ、そしてテッポウユリ(前回の記事でも紹介しました!)。
なぜ白い花が多いのか、はっきりした答えはわかりませんが、
梅雨の薄暗い森の中では、白い花のほうが虫に見つけてもらいやすいのかもしれません。
植物が、雨の季節に合わせた戦略を持っているとしたら——
そう想像するだけで、散歩がすこし楽しくなります😊
まとめ:雨の島で、白い花を探してみてください
- 奄美の梅雨入りは本土より約1ヶ月早く、5月中旬ごろにはじまる
- イジュ(ヒメツバキ)は梅雨の訪れを告げる花。ジャスミン・イランイラン・ローズを思わせる白い花の香りを持つ
- イジュのアブソリュートは花5キロからわずか5グラムしか採れない、極めて希少な香り🌿
- コンロンカは梅雨の山道でひっそりと咲く、白いガクが印象的な花
- 梅雨の奄美は「白い花」の季節。雨の日の散歩で、ぜひ探してみてください🌧️



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