サガリバナ――南国の夏を彩る幻想的な花🌺

私が初めてサガリバナと出会ったのは、西表島でのダイビング旅行のとき🤿
宿泊先で案内されたナイトツアーで、ガイドさんが暗闇の中にふわっと光るように咲く花を見せてくれました。その美しさは、今でもはっきり覚えています。
サガリバナは夜に咲き、朝には静かに散ってしまう――そのわずかな時間に咲き誇る姿は、まるで夢の中の情景のよう。花言葉が「幸福が訪れる」であるのも、その神秘的な姿に由来しているのかもしれません。奄美でも、民家の庭や公共施設の花壇などでこの花に出会えます。
3つの色が見せる、それぞれの表情
サガリバナには、白・赤・ピンクの3種類があります。
- 凛とした清らかさの白
- 華やかで少し大人びた、赤
- 柔らかく優しい雰囲気のピンク
夜の空気の中で揺れる花房は、静かに存在感を放ちます。
特に夜露に濡れた花びらは、光の角度によって表情が変わり、つい見入ってしまうほどの美しさがあります✨
サガリバナの香り――ほのかに甘い夏の気配🌿
香りは決して強くありませんが、花がたくさん咲くと、空気の中にふわりと甘く爽やかな香りが漂います。
私には、ほんの少しだけチョコミントのような清涼感を感じました🍫🍨
夏の夜の湿った空気と混ざり合い、なんとも心地よい時間を作ってくれます。
散る花は、次の季節への贈り物
朝になると、サガリバナは静かに散っていきます。
最初はどこか切なさを感じますが、私は「種となって次の命をつなぐための旅立ち」と考えています。
花の命が終わるのではなく、次の世代を育む始まり――そう思うと、散る姿も美しく見えてきます💐
夏の奄美は“香りの冒険”にぴったり
奄美の夏は、サガリバナだけでなく、香り豊かな植物がたくさん。
昼間は鮮やかな自然と海、夜はしっとりと咲く花々。
夜の散歩でふと漂うサガリバナの香りに気づくと、「あ、今この季節が来たんだ」と心が弾む瞬間があります。
儚さの中にある美しさ
サガリバナは、一晩だけ咲いて朝には姿を消します。
ほんのひとときの美しさだからこそ、出会えた瞬間が特別な思い出になるのだと思います。
奄美の夏を訪れるときは、ぜひ夜の空気の中でこの花を探してみてください。
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<香彩代表・カモガワ>
愛媛生まれ・愛媛育ちの薬剤師。
旅行で奄美大島を訪れた際、その開放的な空気や青い海に惹かれ、2018年に移住しました。
移住後、ふとしたきっかけからアロマセラピーに興味を持ち、独学で学び始めました。
そんな中、奄美で出会った方から「奄美のアロマってないのよね」という言葉を耳にし、
2020年アロマ製造をスタート。
いくつかの季節を経験する中で、奄美大島の多種多様な植物たちと出会い、
「植物は“薬のお母さん”でもある」と気づきました。
薬剤師として学んできた知識と、化学好きの個性を活かしながら、『えがおのくすり』として
奄美の香りを作り、届けています。
この活動が、移住者である私を温かく迎えてくれた奄美の人々や自然への、
ささやかな恩返しにつながればと願っています。
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