3つ目に手放したのは「時間」でした

これまで、アロマを捨て、奄美のものの売り方を考え直した話を書いてきました。
どちらも、香彩を続けるために手放したものの話です。
実はもうひとつ、手放したものがあります。
3つ目に手放したのは、「時間」です。
もちろん、時間そのものを捨てたわけではありません。
なんとなく過ごす時間と、全部を自分でやろうとする時間の使い方をやめました。
「自分で作るほうが早い」と思っていました
やめたことのひとつに、デザインがあります。
以前の私は、自分で作るほうが早いと判断することが多くありました。
自分の中に、伝えたいイメージがある。
それなら、自分で形にしたほうが話も早い。
そう考えていたのです。
けれど、デザインには細かな判断が続きます。
文字の大きさや余白、色の組み合わせ。
ひとつを決めると、次に整えたいところが見えてきます。
「自分でできる」と「自分がやるべき」は、同じではありません。
その違いに気づかないまま、私は時間を使おうとしていました。
デザインを、デザイナーさんに任せる
今は、スキルのあるデザイナーさんにお願いしています。
お願いしたものは、私が自分で作るよりも見た目のよいものになりました。
自分で作れば、依頼する時間や説明する手間を省ける。
私は、その速さを見ていたのだと思います。
けれど、早く始められることと、時間を大切に使えることは別でした。
形になるまでには、いくつもの小さな判断があります。
その一つひとつに使う時間まで考えると、自分で作ることが一番早いとは限りません。
デザインのスキルを持つ人にお願いする。
それは、見た目を整えることと、私の時間を戻すことの両方につながりました。
そして、私がデザインに使おうとしていた時間が残りました。
任せることは、ただ作業を減らすことではありませんでした。
その仕事に合う力を持つ人へ、役割を渡すこと。
自分で抱えていたときには、デザインも事業も、同じ時間の中に並んでいました。
どれも大切だからこそ、すべてに手を伸ばそうとしていたのだと思います。
けれど、一日の時間は増えません。
何に使うかを決めなければ、大切なことへ使う時間も残らないのです。
空いた時間を、香彩の仕事へ戻す
デザインを任せたことで、私はほかの仕事に集中できるようになりました。
たとえば、香彩を知ってもらうための営業です。
そして、ブランド力の高い製品を調べる時間。
どのような製品が選ばれているのか。
その価値が、どのように伝えられているのか。
営業も製品の調査も、すぐに完成品が目の前へ残る仕事ではありません。
それでも、香彩をこれから育てるために必要な時間です。
どれだけ丁寧に作っても、存在を知ってもらわなければ届きません。
島の素材に価値があっても、その背景が伝わらなければ、価格だけで比べられてしまいます。
だから私は、作ることだけでなく、伝えることにも時間を使いたい。
ほかの製品を知ることも、香彩の立ち位置を考えるための材料になります。
香彩を育てるために、考えなければならないことがあります。
奄美の植物や果実の価値を、香りを通してどう届けるのか。
安さだけではなく、希少性や質、その背景まで含めてどう伝えるのか。
これは、前回のマンゴーの話からも続いている問いです🥭
私が時間を使いたいのは、この問いと向き合うことでした。
何かをやることは、何かをやらないこと
時間は、目には見えません。
けれど、使った分だけ、確かに減っていきます。
何かをやると決めることは、何かをやらないと決めることです。
どちらも選ばないままでは、本当に大切なことへ時間を残せません。
以前は、手放すことに「できない」という印象を持っていたのかもしれません。
今は、手放すことも事業のための判断だと考えています。
今回手放したのは、デザインそのものではありません。
デザインは、香彩の印象をつくる大切な仕事です。
だからこそ、「私がやらなければならない」という考えを手放しました。
やめることは、投げ出すことではありません。
大切な仕事を、より合う人へ渡すという選び方もあります。
任せたほうがよいことは、その力を持つ人に任せる。
そして私は、香彩だからできる仕事に時間を使う。
「奄美の自然を、ひとしずくの香りに。」
この言葉を形にしていくためにも、時間の使い方を選びたいと思っています。
残したい時間から、考えてみる
アロマを捨て、売り方を考え直し、時間の使い方を変えました。
三つの話に共通していたのは、何を残したいのかを考えることでした。
時間を手放すとは、予定のない時間をなくすことではありません。
限られた時間を、何のために使うか自分で選ぶことです。
手放すものを先に探すと、少し難しく感じるかもしれません。
残したい仕事や、守りたい時間から考える。
そうすると、今の自分が抱えなくてもよいものが見えてくることがあります。
限られた時間を、何に使いたいのか。
私も、香彩を育てながら問い続けていきます🌿
<香彩代表・カモガワ>
薬剤師として奄美大島に暮らしながら、島の植物の香りを“えがおのくすり”として届けています。
青い海と風の中で出会った植物たちの香りを通して、奄美の優しさと彩りを全国へ。




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