バニラファームカフェPolePoleで見た、香りの前の時間
バニラと聞くと、
甘い香りを思い浮かべます。
けれど農園で最初に目に入ったのは、
広く伸びる緑のつるでした。
香りになる前のバニラは、
静かに育つ植物なのだと気づきました。
2025年5月、奄美北部にある
「バニラファームカフェPolePole」を訪ねました。
これは、その日に見た農園の記録です。



農園に伸びていた、バニラのつる
農園の中では、
バニラのつるが広く伸びていました。
訪問時に伺った話では、
前年の台風で設備が損傷したそうです。
復旧を経て、再び植物を見られる場所に、
たくさんの緑が続いていました。
栽培環境を整え、草を取り、
虫を一つずつ取り除く。
日々の手作業について聞きながら、
目の前のつるを見ていました。
甘い香りだけを知っていた頃には、
想像していなかった時間です。
ようやく育った、バニラのつぼみ
訪れた日は、
バニラのつぼみが育っていました。


案内の中で、開花までに
およそ2年かかると聞きました。
天候の影響を受けながら、
それでも伸びた先についたつぼみです。
見学から一週間ほど後、
Instagramで開花を知りました。
背景を聞いたあとだったからでしょうか。
画面の中の花を見ながら、
農園で見た緑を思い出しました。
開花後の受粉も、
手作業で行うと伺っています。
ひとつの香りへたどり着くまでには、
人の手を重ねる時間がありました。
香りの前にあるものを見る
わたしは、植物から香りを受け取り、
届ける仕事をしています。
目の前の香りへ意識が向くほど、
その前にある時間を忘れそうになります。
けれど、植物は先に育っています。
天候の中でつるを伸ばし、
人の手に支えられながら花を待つ。
PolePoleで見たのは、
まだ甘い香りになる前のバニラでした。
次にバニラの香りへ出会うとき、
あの緑のつるとつぼみも思い出します🌿
<香彩代表・カモガワ>
薬剤師として奄美大島に暮らしながら、島の植物の香りを“えがおのくすり”として届けています。
青い海と風の中で出会った植物たちの香りを通して、奄美の優しさと彩りを全国へ。





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