奄美のサガリバナ。夜に咲く花と、その香り

サガリバナは、夜に花を開きます。

朝には花を落とすため、咲いている姿を見られる時間は長くありません。

わたしが初めて出会ったのは、西表島へダイビング旅行に行ったときでした。

宿泊先のナイトツアーで、暗い中に咲く花を案内してもらいました。

あの夜から、サガリバナは姿だけではなく、香りと時間が結びついた花になっています。

目次

奄美の夜にも咲く花

奄美では、民家の庭や公共施設の花壇でサガリバナに出会うことがあります。

白や赤、ピンクの花が、房になって垂れ下がります。

昼間に前を通っただけでは、開花に気づかないこともあります。

花が開くのは夜です。

暗さの中で見る花は、色だけでなく、周りの空気まで意識させます。

サガリバナを知るには、形だけでは足りない。

咲く時間も、この花の輪郭の一つだと思います。

わたしが、その夜に感じた香り

花がたくさん咲く夜には、空気の中に香りがありました。

わたしが感じたのは、ほのかに甘く爽やかな香りです。

ほんの少しだけ、チョコミントのような清涼感もありました🌿

これは、サガリバナの香りを一つに決める説明ではありません。

わたしが、その夜に感じた印象です。

同じ花の前に立っても、受け取る香りは人によって異なります。

だからこそ、自分の言葉で記録しておきたいと思いました。

朝、花が落ちたあと

朝になると、サガリバナの花は地面に落ちています。

夜の姿を見逃した日も、足元の花が昨夜の開花を教えてくれます。

散る姿に、大きな意味を足さなくてもいい。

夜に咲き、朝に落ちる。

その短い時間そのものが、サガリバナの特徴です。

香りを確かめられる時間にも、終わりがあります。

その限りがあるから、花の近くで立ち止まる時間が残ります。

香りだけを切り離さない

香彩では、植物ごとに抽出法を選んでいます。

香りの印象だけで、植物を一つに決めないためです。

いつ花が開くのか。

どのように散るのか。

植物の香りを見るときは、その前後にある時間にも目を向けます。

サガリバナも、香りだけを切り離さず、一夜の花として覚えておきたい植物です。

奄美でサガリバナに出会った夜は、花の近くの空気にも意識が向きます。

朝、足元に花が落ちていたら、一夜の時間が閉じたしるしです。

咲いている瞬間と、散ったあとの静けさ。

その両方が、わたしにとってのサガリバナです🌙


<香彩代表・カモガワ>

薬剤師として奄美大島に暮らしながら、島の植物の香りを“えがおのくすり”として届けています。
青い海と風の中で出会った植物たちの香りを通して、奄美の優しさと彩りを全国へ。

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